視覚障害者の生計を守るため、健常者向けのあん摩マッサージ指圧師養成学校の新設を制限している法律の規定が、憲法が保障する「職業選択の自由」に違反するかどうかが争われた3件の訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(菅野(かんの)博之裁判長)は2月7日、規定は公共の利益にかなうとして「合憲」と判断した。新設を認めなかった国の処分を取り消すよう求めた学校法人の上告を棄却し、学校法人を敗訴とした一、二審判決が確定した。
学校法人福寿会及び学校法人平成医療学園が、国に対し、あはき法19条によるあん摩マッサージ指圧師養成施設設置の非認定処分を取り消すことを求めた3件の訴訟の判決が、最高裁判所第2小法廷において2月7日15時から行われた。
法廷傍聴には、新型コロナウイルスの感染拡大に配慮して22名に制限されている中、視覚障害当事者や支援者等59名が詰めかけた。 菅野博之裁判長より、仙台・東京・大阪の各事件について、上告人の上告を棄却する旨の判決が言い渡された。
判決を受け、東京高裁司法記者クラブにおいて記者会見が開かれ、会見には、竹下義樹あん摩師等法19条連絡会会長、大胡田誠日視連顧問弁護士、安田和正日本あん摩マッサージ指圧師会会長らが出席した。
竹下会長は、これまでの裁判を振り返るとともに「司法において最終判断の場の憲法判断で、あはき法19条が視覚障害者の職業的自立のためには必要な規定であることを明言していただいたことに安堵している」と語り、最高裁が視覚障害者の立場を十分に理解してくれたことに大きな感動と喜びを感じたと感想を述べた。
(点字毎日、日視連より)
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